明るい傘 菅沼亜由美のブログ

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いよわ『ねむるピンクノイズ』聴きました

ボカロP・いよわさんのアルバム『ねむるピンクノイズ』を聴き終わりました。

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深く重い苦しみと悲しみから生まれる、美しく気高い狂気を感じました。私より2歳年下の男の子が、ここまでの芸術を作れるなんて。

歌っているボーカロイドの声があまりにも高く、そして早口なので、歌詞がないと聴き取るのがとても難しいです。

私はユーチューブミュージックというアプリで聴いたのですが、歌詞を確認できない曲もあったので、いつか円盤を手に入れて、歌詞カードを見ながらじっくりと聴き惚れたいです。CDの生産再開を強く希望します。

大切な人を失った悲しみと、「あの時あなたを助けてやれなかった」という罪悪感が、繰り返し歌の中に現れていました。いよわさんは、きっとものすごく苦労した方なのだろうな、と思います。

いよわさん含め、最近の曲は、暗く激しく狂気的な内容のものが多いです。私たちの生きている社会が、まさに暗く激しく狂気的だからでしょう。

そんな中でも、芸術家の人たちは、狂気を内包した美しいものを作って、私たちに味わわせてくれます。たくさんの血を流して、たくさんのものを犠牲にして、至高の芸術を創りあげるのです。

いよわさんが岡山出身だからか、曲の中から深い闇と狂気だけでなく、瀬戸内海の穏やかな風をも感じました。

 

彼がこの作品の次に発表したアルバム『わたしのヘリテージ』については、私はすでにCDを購入済みで、聴き終わっています。

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『わたしのヘリテージ』に入っている「あだぽしゃ」「うらぽしゃ」は、主人公が毒親と決別する歌ではないかと思います。

私の親はそんなにひどい親ではありませんでしたが、鬼畜のような親に虐待されている方はいるので、そういう方には響く歌かもしれません。

「もはやあんな奴とは対話の余地などない。さようなら」という歌です。そういう別れを何度も何度も経験して、私たちはだんだん社会の味、人生の味を知っていくのだと思います。

同アルバムに収録されている「きゅうくらりん」は、叶わぬ恋、叶えてはならない恋の歌だと思いました。私を憎んでいる既婚者の方に片思いして苦しい時に、よくユーチューブでこの曲の動画を再生して、興奮と悲しみに浸りました。

とても悲しい曲なのに、なぜか興奮して思わず速歩きしたくなるようなリズム感・高揚感があります。

でも、私は、この曲の主人公のような控えめな人ではありません。結構ガツガツしていて、相手に恐れられます。もっと私が控えめで我慢強くあれば、相手の方も楽できるのに、なんで我慢出来ないんだ、とよく自分を責めました。

しかし、自分の恋心を我慢する、封印するというのも、かなり苦しいことです。恋に正解などないのだと思います。

しかし、勢い余ってストーキングや殺人などに至ると、社会から葬り去られます。私もギリギリのところでなんとか踏みとどまっている一人です。

私がもし貧困層でなければ、間違いなく訴訟され、慰謝料を請求されるでしょう。社会とはそういうものです。

 

恐ろしい罰を目の当たりにすることで、人はまともになれる。社会とは人々であり、神と呼ばれるものの実体だと思います。

神に愛されない人は、愛されるように努力するか、自分を愛さない神を葬り去ろうとします。自分を変えるか、世界を変えるか。

神を葬り去ることは「革命」「テロ」「犯罪」などと呼ばれます。実行者は強い嫌悪と、強い憧れの対象となります。それが怖いのなら、神に合わせて自分を変えたほうが楽というものです。

しかし、そんな中でも、山上徹也さんは、安倍晋三という「神」、自分を愛さない「神」を、その手で葬りました。

山上さんへの評価は人それぞれですが、私は、彼のやったことは、どんなリベラルもなし得なかった偉業だと感じます。彼は末永く歴史に残り、伊藤博文を殺した安重根と並び称されるでしょう。

私もブローチづくりやブログづくり、詩作を頑張ろうと思います。皆それぞれの持ち場で、それぞれの仕事をやるのみです。この先世界が滅びるとしても、いよわさんのように、苦悩する人に寄り添い共苦する作品を作るのみです。

自分の悩みや弱さを素直にさらけ出すことが、誰かの救いになると信じています。そうした営みが、世界を少しでもマシにしていくのではないでしょうか。

 

こうしてボカロ曲に聴き惚れている私も、ほんの数年前までは、60-70年代のプログレやロックばかり聴き、ボカロ曲を軽蔑していました。「生身の人間が歌わないなら意味がない」と抜かしながら。

しかし、いよわさんやピノキオピーさんなどのボカロ曲を聴くうちに、「これプログレと一緒やん!」と驚きました。変拍子や現実離れした音作りなどが、プログレと共通していると感じたのです。

そこから一気に、ボカロ沼にハマりました。新しい世界が拓けたことに感謝します。

60-70年代にプログレやロックを聴いていた人たちも、きっと軽蔑されていたでしょう。「あんなうるさい音の何がいいんだ」と。

しかし、時が経つにつれて、だんだんとその良さが社会に認められていったのですから、素晴らしいと思います。

 

ちなみに、いよわさんの最新作『映画、陽だまり、卒業式』は、まだ購入しておらず、聴いてもいません。それについても、いつかここで感想を書きたいです。

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