今の自分が決して過去のように美しくも賢くもないと知った時、人はどうなるのか。
今彼が今取り乱しているのは、そういうことなのだろう。今彼は自分が醜い豚であることが耐えられないのだ。
今彼は体力がないので、一人ではまともに外を出歩けず、すぐへばる。また、彼一人で外出した時は、バスを頻繁に乗り間違えるし、地下鉄の駅の改札を何度も出たり入ったりして駅員さんに注意される。方向音痴なのかも知れない。
彼は関東の田舎出身で、車さえあればどこにでも行ける環境にいた。しかし、元カノとの生活に疲れて私のもとに転がり込んで来た時、車を元カノのもとに置いてきてしまった。それが今彼にとって痛手になっているように見える。
また、今彼は、大切な予定を極限まで先延ばしにして、家でスマホばかりいじっている。役所や精神科での重要な手続きを、手続き期限ギリギリまで行わず、期限日の午後遅くにようやく尻に火がつき、タスクを必死に処理するのだ。私の足労と金銭無しでは、精神科の診断書を用意することもできなかった。
また、お金がないのに働かないし、生保をもらわないし、福祉にも頼らない。その癖プライドだけは強い。「今度こそ稼いでみせる」「俺が稼いだお金で君を大学に行かせる」「今度こそ煙草やめる」と豪語はするが、口だけだ。
しかも、性欲が驚くほど強く、私に挿入できないことや、私の髪型が丸坊主であることに、強い不快感を示す。「挿入を伴うセックスがしたい」、ただそれだけで、自分が虐げてきた元カノのもとに帰ろうとする。
元カノは今彼を愛していないということが、私とのメッセージのやりとりで分かっているが、元カノさんはどうやら今彼に洗脳されているようで、今彼を「好き」と言ったり「嫌い」と言ったり、コロコロ言うことを変える。私も人のことは言えないが……。
そして今彼は、私に対して長ったらしい自慢話やお説教をしてくるので、眠気に耐えられなくなる。また、お説教の内容がなかなか容赦なく、私の自己差別や自己否定感を強化する。また、彼は私と同様、同じ話を何度も繰り返しするので、「そんなのAIに喋れ」と言いたくなる。
また、今彼は自分のことを「かっこいい」と思い込んでいる。確かに過去の今彼の写真を見ると「精悍でかっこいい」と思うのだが、今の彼はもはや豚でしかない。それなのにまだナルシシズムから抜け出せないのだから、本当に醜いと思う。
「俺はかっこいいから、性的に求められて当然だ。元カノは俺を求めてくれるから元カノの元へ帰りたい」と豪語している。ふざけるな。元カノさんは今彼に洗脳されているだけだ。今彼の前で本音を言えないだけなのだ。これ以上元カノさんを虐めるな。
……やれやら、まるで大きな男の子を育てている気分だ。死ぬまでああだろうな。女を食いつぶして、弄んで、支配して、満足かい? 作家なら早く小説書けよ。毎週私に見せるんじゃなかったのか?
まあ、今彼の男の子のような風貌や仕草が、女の庇護欲を刺激するというわけだな。ヒモじゃねえか。なんかそんな簡単に縁を切れない気がしてきた。うわ〜。