私の周囲には、天皇に対する強烈な嫌悪を表す人たちが多い。天皇が嫌いなのに、「皇室アルバム」というテレビ番組をわざわざ見て、SNSで天皇を腐す人もいる。
また、「天ちゃんさいなら〜」だとか、「昭仁(平成天皇)がリベラルだなんてちゃんちゃらおかしい」などと、容赦ない言葉で天皇や皇族を罵る人たちも結構いる。
私も天皇制をなくしたほうがいいと思う市民の一人だが、天皇に対してあんな罵声を浴びせたいとは思わない。まあ裕仁(昭和天皇)は太平洋戦争を推進した極悪人であり戦争犯罪者なので、戦後すぐに処刑されるべきだったと思う。
しかし、その子孫である昭仁や徳仁(令和天皇)については、裕仁のような傲慢さを感じない。彼らは平和憲法の下で、きちんと天皇家を立て直そうと頑張っているように見える。
昭仁は天皇家と朝鮮民族の繋がりについて肯定的に認識していたし、太平洋戦争の激戦地ペリリュー島への慰霊旅行も、皇后の美智子とともにおこなった。
徳仁だって、昭仁と同じくらい温厚で平和的な人間だと思う。秋篠宮の眞子さんも、小室さんという一般人と結婚して、独自の道を歩んでいるので、かっこいいと思う。
そんな皇族の人たちを縛り付けるのが、天皇制である。
皇室典範というルールブックには、「天皇は人を殺しても逮捕されない」と書いてあるそうだが、それは天皇をある意味人間扱いしていない。天皇家の人たちに名字がないのも、ある意味「非人間化」である。
また、天皇家の人たちが一般人と結婚しようとすると、大バッシングが起きる。マスコミのうるさいことうるさいこと。まるでプライベートを丸裸にされる芸能人のようだ。そのくせマスコミは、皇族に対する気持ち悪いくらいの敬語を崩さない。ああ、いやだいやだ。
これは天皇家の人たちに対する重大な人権侵害だと思うので、私は皇族の人たち自身の解放のために、天皇制を廃止したいと願っている者である。
「天皇制を廃止すれば全ての差別がなくなる」というわけではないが、少なくとも、この世からひとつ人権侵害が消えるのは確かだ。
天皇のために死ぬとか、天皇に従うとか、そんなのは絶対に嫌だ。天皇だって私たちと同じ一人の人間なのだ。天皇がいなくたって、私は生きていける。天皇なんて実生活に関係あるのか?
天皇家の人たちは、単なる「宗教法人」としてやっていけばよいのではないか? 天皇への崇拝をすべての人に求めるのは相当傲慢だ。天皇を好きな人だけが、天皇を好きになればいい。